キャリアコンサルティング技能検定2級 論述(1-5回)回答例

技能士1級に合格した事を機に、今後はより一層、キャリアコンサルタントの育成・スキルアップにも力を入れていく事にいたしました。
試験官ではありませんので、出題や採点に関しては、一切かかわっていません。そのため、「これが正解」という事ではありませんので、ご注意を。自己研鑽のため、キャリアコンサルティング技能検定2級取得を目指す皆様の、学習に役立てて頂ければ幸いです。
問題は、技能検定のHPをご参照下さい。

<第5回解答例>
1)
就業時間や休日が自由にならず、また、社内の人間関係がぎくしゃくし、退職した。早く就職を決めたいが、良い所が見つからない。
2)
・現在の労働市場の厳しさや、企業が求めるエンプロイアビリティに関して、認識が不足していると思われること。
・自身のコミュニケーションスキルや人とのかかわり方について、客観的に評価できておらず、自己理解が不足していると思われること。
3-1)
・労働市場の厳しい現状を認識した上で、労働市場とのマッチングをはかり前向きに就職活動ができるようになる事。
・前職での自分を、テクニカルスキル、コミュニケーションスキルの両面から見つめ直し、転職先企業に対して、何がアピールできるのか、また、どういう点を補っていく必要があるのかを整理すること。
3-2)
・ハローワークに限らず、ネットでの求人検索、再就職支援会社への登録など、応募先探しの情報提供を行い、自ら様々なアプローチを試みて頂くことで、就労市場の現実を肌で感じて頂く。その上で、妥協点を見出しながら就職活動を前向きに行えるよう支援する。
・職務の棚卸を行い、自分の能力を客観的に見つめ直す機会を持つ。また、対人関係や、トラブルになった際どのように対応したか等をじっくり話して頂きながら、なぜうまくいかなかったのか、どうすればうまくいくようになるかを共に考え、コミュニケーションスキルの重要性に気づいて頂く。

<第4回解答例>
1)
就職活動に出遅れているように感じており、就職難の中、これから苦戦するので
はないかと不安を抱えている事。
2)
・仕事理解が不十分である事。
・資格が無い事やスタートが遅れていることなどから自己効力感が低くなっている事。
3-1)
・仕事理解を深め、希望職種について自律的に考える事が出来るようにする事。
・自己理解を深め、自己効力感を高めて、前向きに就職活動に臨める状態になる事
3-2)
・職業興味検査を実施し、様々な職業があることを知ってもらうとともに、ばく
ぜんとイメージしている「事務職」に対する適性の有無を考える機会を持たせる。
・幼少期から現在までの間、頑張った事、好きだったこと、褒められたことなど
を語ってもらうことにより、自分の強みや長所に気づきが得られるよう援助する。

<第3回解答例>
1)今の会社で仕事を続けるか、または転職した方が良いかを相談したい。
2)結婚という変化にともない、今後のライフキャリアプランをどのように立てていくかという課題に直面していること。
3ー1)相談者のキャリアアンカーや目指すライフキャリアプランを明確にする事を目標にする。
3-2)面談の中で、自己理解を促す質問を重ね、相談者にとって「働くこと」とは何か、どういう働き方をしていきたいのかを整理する援助を行う。

<第2回解答例>
1)同期と比べて仕事の幅が広がらず、焦る。営業の仕事にも自信を失ってしまった。このままではいけないのではないか。この先どうすれば良いのか。
2-1)クライアントは自己評価が下がっている状態にある。そのため、自身で的確な判断、決定をすることが困難である。まずは自己評価を上げることを目標としたい。
2-2)過去6年間の仕事について成功体験や自分が成長した点など、具体的なエピソードを話してもらい、自己理解を深め、自己評価が高まるよう支援する。
3-1)
ライフキャリアプランやキャリアアンカーがしっかりと定まっていないと思われる。また、今後仕事を続けていく上では上司や周囲に相談できない事も問題であると考える。
3-2)
働く上で何を大切にしていきたいか、この先、結婚や出産など、人生のイベントと「働くこと」をどのように考えているのかを、じっくりと聞く。また、上司に相談できない訳や、どうすれば相談できるのかを共に考え、支援していく。

<第1回解答例>
1)希望が通って異動したが、早く、効率的に仕事を覚え、期待に 答えなくてはならない、と焦る。周りに迷惑はかけられない。 自分にできるのか?
★「どちらの仕事を選ぶか、両方やるのかを迷っている」、といった解答では、読みが浅いと思われます。
2-1) 上司や周囲に相談できるようになること。
★「早く仕事を覚えられるようにするにはどうすれば良いか考えさせる」、「どちらの仕事を選ぶか、双方の将来性を調べてくるよう伝える」といった方向性はNG。クライアントはますます追い詰められてしまいます。
2-2) 「早く効率的に」仕事を覚えなくてはならないと思う訳や、 上司への相談をためらう気持ちをじっくりと聴き、 「周囲に相談しても良い」という気づきを促す。
★これは1つの例で、(2-1)に何を記述したかによって、他にも色々ありそうです。
3-1) 早く期待に答えなくてはならない、周囲に迷惑をかけてはならない、と、 自分を追い詰めてしまう傾向があるのを、変えていくこと。
★このクライアントが、今後、別の部署に行ったり、別の仕事を担当することになった時、このままでは、いつも同じ問題が起こることが予想されます。
3-2) 自身の傾向に気づいてもらうため、過去の仕事上のエピソードなどを 話してもらい、傾聴を通して、行動変容を援助する。
★あなたはこうこうだから、こう変わらないといけませんよ、と説教、説得するのでなく、自分で気づいてもらわなければ、変容は難しいと考えます。